専門医の取り組み

第1回 長い心停止にはくれぐれも注意を!

失神治療を専門的に実施されている先生方に失神診断・治療におけるポイントや自施設での取り組みについて伺ってきました。

聖マリアンナ病院第二循環器内科部長古川俊行先生
産業医科大学医学部
不整脈先端治療学 教授

安部 治彦 先生


長い心停止にはくれぐれも注意を!

最近、体外式ループ式心電計(ELR)や植込み型心電計(ICM)が使用される機会が増加しており、失神発作時の心電図記録が直接捕らえられる機会が増加しています。10秒〜30秒もの長い心停止が捕らえられることも決して稀ではありません。

ここで重要なことは、これらの長い心停止を認めたら即ペースメーカ治療、とあまりにも単純に考えてはいけないのです。心停止の原因が器質的(一次性)な洞機能不全や房室ブロックによるものであれば何ら問題はなく、ペースメーカ治療で症状は改善します。実際、器質的な刺激伝導系の異常の場合は、EPSや心電図モニターなどで洞結節回復時間や洞房伝導時間の延長、洞停止所見、ヒスープルキンエ時間の異常所見や一度・二度房室ブロック等の所見が通常認められることが殆どです。

しかし、これらの異常がなく失神時にのみ長い心停止を認める場合には注意が必要です。解説にもある如く、反射性失神やてんかん発作でも二次的に長い心停止を来すことがあるからです。これらの患者では、一過性の自律神経機能異常による二次的な心停止を発生しているため、ペースメーカ治療で徐脈のみを改善させても血圧低下は予防できないため患者の意識消失発作は改善しないことを知っておく必要があります。一方、これらの患者では血管迷走神経性失神やてんかんの治療を行なうと心停止は発生しなくなりますので、原疾患の治療を優先することが重要です。

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