知っているから笑顔になれる
主に生活習慣の改善やトレーニング治療などによる治療を行います。
睡眠不足や運動不足を避けること、水分を十分に摂ること、過度の減量をしないこと、アルコールが原因になる場合はアルコールを控えること、降圧薬(血圧を下げる薬)を飲み過ぎないことなどに注意します。また、なぜ失神してしまうかを患者さんに理解してもらうことも大切な治療の一つです。
失神の前ぶれ(失神前駆症状)を感じた際、すぐに座ったり横になったりすれば、転倒や怪我を回避できることがあります。また、下図の体位や運動で、瞬時に血圧を上昇させて失神発作を予防することができます。
患者さんが自宅の壁などを使って自分で行うことができる簡単な治療法です。踵を壁から15~20cm程度離し、お尻と背中を壁につけ、下半身を動かさない状態で立ち、それを30分間キープします。訓練開始時はこれを1日2回行い、問題なく立てるようになれば、その後は1日1回、毎日行うことで、失神の再発を予防することができます。血管迷走神経性失神の再発予防において、非常に高い治療効果が期待されます。
血管迷走神経性失神の殆どは、生活指導と起立調節訓練法で完治することができます。失神時に長い心停止がある場合は、心停止の原因が血管迷走神経性失神によることがあり、その際は生活指導や起立調節訓練法のみで完治します。安易にペースメーカ治療を行なわないことが大事です。
生活習慣の改善や薬物治療を行います。
睡眠不足や運動不足を避けること、水分を十分に摂ること、過度の減量をしないこと、アルコールが原因になる場合はアルコールを控えること、降圧薬(血圧を下げる薬)を飲み過ぎないことなどに注意します。
また、なぜ失神してしまうかを理解するのも治療の一つです。
ナトリウム入りのサプリメントや電解質の多い飲料を取って食塩摂取を増やすことで、血圧を上げ、低血圧を改善します。
血圧を上げる薬を用いて低血圧を改善します。
原疾患の治療を行うことが重要です。
必要に応じて、心臓植込み型ペースメーカによる治療が選択されます。
薬物治療の他に、カテーテルアブレーション治療、必要があればICD(植込み型除細動器)が有効な手段になります。
それぞれの治療手順にしたがって治療がすすめられます。
PICTURE Study 原因不明の再発性失神の診断過程にRevealを取り入れることの有効性に関する評価。
RAST Study 従来型検査(ホルター心電図及びチルト試験、電気生理学的検査)と植込み型ループレコーダー(ILR)を用いた検査で失神原因特定の有用性を比較検討。
B4 Study 房室ブロックにつながるリスクが高いが様々な病因が考えられる脚ブロック(BBB)を有した失神患者に対し、システム化された診断アプローチが有用であるかについての前向き観察研究による検討。